証券アナリスト資格は転職で役に立たないのか?【難易度とメリットは?】

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証券アナリスト資格は転職で意味ない/役に立たないのか？

転職において、全く役に立たないというわけではないが、非常に役立つというほどでもない。「もしかすると非常に役に立つのでは？」というような期待はしないほうが賢明だろう。新卒採用においても同様。
就活や転職で役に立つというよりは、金融マーケットの関連分野を体系的に学ぶのに役立つ、という資格試験である。たしかにメリットはあるものの、就活や転職で合否に直結するほどの威力はない。

メリット

役に立つ面を挙げると次のような感じだろう。

合格するまでの過程で、マーケット部署で働くのに必要な基礎知識を幅広く体系的に学べる
マーケットに興味があり、マーケットに関する仕事をしていきたいというコミットメント（本気度）が伝わる
それによって、就職後の配属や異動で、マーケット部署に行ける可能性が少しは高まる
特に二十代の転職において、ファイナンス、財務分析、経済学について基礎知識が身に付いていることをアピールできる

意味ないと言う人の主張

意味ないと言う人の主張はだいたい次のような感じである。

国家資格ではなく、独占業務があるわけでもない。資格を持っていなくても証券アナリストの仕事はできる。
合格率が高く、難易度がそれほど高いわけではないので、「難関を突破した」というようなアピールにはならない
新卒採用では資格よりもポテンシャル（就職後の伸びしろ）を見られるので、資格の勉強よりも面接対策に時間をかけたほうが良い
中途採用では実務経験が重視されるため、資格だけ持っていても実務経験がないと選考を突破しにくい（資格なし経験者のほうが、資格あり未経験者よりも受かりやすい）

資格取得の難易度

資格取得の難易度は、受ける人がどれくらい前提知識を持っているかによる。
科目は証券分析、財務分析、経済分析の３つ。一次レベルはマーク式、二次レベルは論述式である。

証券分析の学習には、確率・統計やテーラー展開などの理系学部一年レベルの数学が必要となる。数学に拒否反応のある人はもちろん、数学に苦手意識がある人にも、学習が難航する可能性が高い。しかしながら、上記レベルの数学が問題ない人にとってはそこまで難しい内容ではない。また、文系であっても、経済学部などでファイナンス理論を学んだことのある人ならクリアしやすいだろう。

財務分析の学習には、簿記などの会計知識がどうしても必要となる。商学部などで会計知識のある人にとっては理解しやすいだろう。証券分析ほど複雑ではないが、計算問題は多く出題される。試験時間内に効率的に解いていく必要がある。

経済分析は経済学の知識が試される科目であり、経済学部以外の人にとっては初耳の用語が出てくるものの、出題範囲は限られているためそれほど難所ではない。

全体的に言うと、過去問を中心にしっかりアウトプットの練習をしておけば合格できる、というようなレベルである。決して難関資格というわけではないが、関連する前提知識を持っていない人にとっては、まとまった学習時間を取らないと合格できない試験である。特に二次レベルは、シャーペンを持つ手が痛くなるほどの記述量があり、なかなかハードな試験といえる。しかし一次も二次も合格率は高く、「それほど点を取れてない気がするけどなぜか受かった」と言っている合格者が多い。

まとめ

「役に立つ」という主張も、「役に立たない」という主張も、両方正しい
合格までの過程で基礎知識を体系的に学べるとか、マーケット関連の仕事をしていきたいというコミットメントを示せる、というメリットはたしかにある
しかし資格がなくてもマーケット関連の仕事は問題なくこなせるし、就活や転職において非常に役立つというほどでもない
個人的意見としては、マーケット関連の仕事を長く続けようと思っている人であれば、試験自体はそこまで難関というわけでもないので、時間がある若手のうちに取得しておいても良いのではないか、と思う