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解説
CVAは、デリバティブの勝ちポジションがあったとき、カウンターパーティがデフォルトすると、担保で保全されていない部分が損失となるが、その期待値を表している。相手に貸している金額を平均的にいくら踏み倒されてしまうか、を表す。
DVAは逆に、自分が借りている金額を平均的にいくら踏み倒せるか、を表す。
デリバティブの負けポジションがあると、カウンターパーティに担保を払わないといけないが、不完全担保や無担保だと、その全額を払う必要がない。
これは実質的にお金を借りていることになるので、自分が倒産すれば、その一部しか返すことができない。
よって返せない分、支払いが減るため、そのベネフィットを利益とみなす。もしくは損失の減額とみなす。
しかしこのDVAのベネフィットの分だけCVAが少なくなるという点には、批判もある。
DVAはいわば、自分にかけている生命保険のようなものである。
要するに、自分が死なないと現金化されないので、自分がもらえない保険金であるにもかかわらず、それを将来に得られるベネフィットとして利益とみなせるか、という問題だ。
これについては、自分のクレジットリスクが反映されるFVAのところで考慮する、という考え方がある。この場合は、CVAは考慮するがDVAは無視し、その分はFVAの一部として算入する。
一方で、FVAのところから自社のクレジットスプレッド部分だけを抜き出して、それをDVAとして計上するという考え方もある。この場合は、FVAには、ファンディングスプレッドから自社のクレジットスプレッドを除いた、いわゆる流動性スプレッドの部分だけが算入されることになる。
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