MtMとは:金融における意味

回答

MtMとは、Mark-to-Marketの略であり、時価評価すること、あるいは時価のことを指す。「値洗い」と訳されることもあるようだ。

金融界隈ではそのまま「MtM」あるいは「MTM」と書くか、言葉でも「エムティーエム」と言えば、時価評価すること、あるいは時価のことだと通じる。システムのアウトプットとして出てくる計表にも、「MTM」という列があり、そこに取引の時価が並んでいる。

時価評価とは

金融商品が現在持っている価値、すなわち市場価格を求めることである。

金融商品はマーケットが変動すると価値も変化する。金融商品の価値はマーケットデータに依存するわけである。金融商品の持っている価値はそれを市場に出したときにいくらの値段がつくか、というわけなので、市場の需給が変化すると、その値段が変わる。

金融商品の時価を求めるには、マーケットデータをインプットして計算を回す必要がある。このマーケットデータが市場の変動によって変わるわけなので、インプットが変わればアウトプットである時価も変わる。

そういうわけで、金融商品は放っておいても価値が変わらない、というわけではなく、マーケットは常に変動しているから、価値も変わり続ける。

このように変わり続けている価値について、「現在はいくらになっているか」を確認する作業が、時価評価である。この時価評価のことをMark-to-Marketと言い、MtMと略されている。

また、時価評価した結果として得られる「時価」それ自体をMtMと言うこともある。

関連用語と関連記事

関連する用語に、MtM通貨スワップがある。これは過去記事で説明しているのでそちらを参照してほしい。

MtM通貨スワップのMtMも同じ意味であり、片方の通貨の元本が、為替変動に合わせて変化していく通貨スワップのことである。元本が市場の為替レートに合わせて時価評価されていくイメージである。時価評価する前の元本を返して、時価評価した後の元本を受け取る、あるいはその逆、を行う。これはつまり、為替変動による元本の勝ち負けを定期的に清算している、と見ることもできる。