はじめに
同じバニラオプションでも、元本の単位が何を表しているかは、アセットクラスによって異なることに注意したい。
ここでは通貨オプションと株式オプションの場合を対比して見ていく。
通貨オプションの場合
通貨オプションの元本の単位は、外国通貨建てである。
ドル円であれば、ドルが外国通貨、円が国内通貨となる。
ドル円のクォートは、ドル1単位を円建てで表すといくらになるか、を表している。つまりドルという資産に、円建ての値札を付けている。
ドル円の通貨オプションでは、為替レートについてスポットとストライクの差分からペイオフを求め、それにドルの元本をかけることで、円建ての受け払いする金額が決まる。
ドル円の元本の単位は円ではなくドルであり、受け払いする金額は円となる。
株式オプションの場合
これに対して、株式オプションはどうだろうか。
株式オプションの元本の単位は株である。
トヨタ株のクォートは、トヨタ株ひと株を円建てで表すといくらになるか、を表している。つまりトヨタ株という資産に、円建ての値札を付けている。
トヨタ株のオプションは、株価についてスポットとストライクの差分からペイオフを求め、それに元本を表す株数をかけることで受け払い金額が決まる。
トヨタ株のオプションの元本の単位は円ではなく、トヨタ株の株数なのである(何円ではなく何株)。