ASCOTのプライシング再訪

ASCOTとは、CBのアセットスワップと、CBオプションの組み合わせである。

CBオプションを権利行使すると、CBオプションの売り手からCBを額面、つまりパーで買い取り、アセットスワップを早期終了する。
 
したがって、CBオプションの買い手から見て、行使せずに継続した場合の価値は、アセットスワップの残存価値である。つまり、CBクーポンを受けて、Libor+アセットスワップSpreadを支払うスワップの残存価値である。
 
一方で、行使した場合の価値は、CBをパーで買い取るから、CBの価値からCBの額面を引いたものだ。
 
したがって、
CBの価値−CBの額面
CBクーポン残存価値−Libor+Spreadの残存価値
を超えていればインザマネーである。
つまり、CBオプションのストライクは、CBの額面にアセットスワップの残存価値を足したものだ。CBの価値がこのストライクを超えるとインザマネーとなる。
しかしアメリカンオプションなので、すぐに権利行使するとは限らない。
 
このアメリカンオプションを評価するには、文献で紹介されているのは、三層構造の二項ツリーである。
つまり、株価の二項ツリー、CB価値の二項ツリー、CBオプション価値の二項ツリーの三層構造である。
株価のツリーが出来たら、
それをもとに、CB価値のツリーを、転換するかを判断しつつバックワードに作り、
それをもとに、CBオプション価値のツリーを、行使するかどうかを判断しつつバックワードに作る。
 
本当は、ストライクがアセットスワップに依存するため、金利とクレジットスプレッドも確率的に動かした方がよい。
しかしながら、実務的には株価のワンファクターにしてしまうか、
もしくは、転換確率で加重平均したクレジットスプレッド、つまり株価に完全相関するクレジットスプレッドを使うことで、1.5ファクターにするか、
になるだろう。

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