こちらもおすすめ
解説
ゴールドマンとモルスタが初めてESTR-SOFRベーシススワップをトレードしたということで、話題になっている。
今後少しずつだろうがRFR通貨ベーシススワップのトレードが増えてくるだろう。
一般的な通貨ベーシススワップは現在、
・ユーロドルならEuribor-USD Liborベーシススワップ
・ドル円ならJPY Libor – USD Liborベーシススワップ
である。
Liborがなくなると、これらの金利がRFRに切り替わることになる。
新規取引についても、通貨ベーシススワップは、RFRを交換するスワップがメジャーになっていくだろう。
ここで問題になるのは、通貨ベーシススワップの担保通貨である。
CCPはまだ担保通貨をRFRに切り替えていないところもある。
相対取引の担保契約も、担保金利をまだRFRには切り替えていないだろう。
その場合、ドル担保であればFFカーブでディスカウントすべき、ということになる。
しかしながら今後は、担保金利がRFRに切り替わっていくことから、市場慣行変化に応じて、通貨ベーシススワップのディスカウントカーブも切り替える必要がある。
それに加えて、通貨ベーシススワップで問題になるのは、ドルサイドのMtM条項である。
現在の市場慣行では、ドルサイドにMtM条項が付いているとしてプライシングするが、
RFR通貨ベーシススワップについても、SOFRサイドにMtM条項が付いているとしてレートをクォートするのだろうか。
そのあたりの市場慣行が固まってくるにはまだもう少し時間が必要であろう。
参考文献
スワップ取引のすべて(第5版) 実践デリバティブ: Excelでデータ分析 Interest Rate Swaps and Their Derivatives: A Practitioner’s Guide (Wiley Finance Book 510) (English Edition) Interest Rate Derivatives Explained: Volume 1: Products and Markets (Financial Engineering Explained) (English Edition)
こちらもおすすめ
あわせて読みたい
【LIBOR廃止】QUICK社のTORFとTONAの違い【OISの参照金利指標】 | Quant College
【LIBOR廃止】TORFとTIBORの違い | Quant College