マルコフ関数モデル (Markov Functional Model) の特徴

いろんな呼び方がある。

  • マルコフファンクショナルモデル (Markov Functional モデル)
  • マルコフ汎関数モデル
  • マルコフ関数モデル

このモデルのコンセプトは、
・Hull-Whiteなどの低次元マルコフモデルと、
・LMMなどのマーケットモデルの、
いいとこ取りをしよう、というものである。


低次元マルコフモデルの仲間であるため、以下の特徴がある。

  • ファクター数は1つか2つ程度と少なく、ファクター数が無限にあるイールドカーブ全体を、少数のファクターに集約して表現する
  • 数値計算は数値積分とツリーを活用でき、モンテカルロを使う必要がない

それに加えて、典型的な低次元マルコフモデルであるハルホワイトモデルなどとの違いは、以下の点である。

  • 割引債価格がガウシアンファクターの関数となるが、その関数形はユーザー側で自由に変えることができる
  • この追加的な柔軟性を用いて、市場のバニラオプションの金利スマイルと整合的に金利系エキゾチック商品を評価できる

キャリブレーションしないといけないのは次の2つである。

⑴割引債価格の関数形
⑵ガウシアンファクターのボラティリティパラメーター

ガウシアンファクターの平均回帰パラメーターはコンスタントとして外から与えるのでキャリブレーション不要である。

キャリブレーションについては以下の記事を参照。

マルコフ関数モデルのキャリブレーション | Quant College

マルコフ関数モデルの使い道としては、最も多いのがバミューダンスワップションの評価である。金融機関によっては、ファクター数を増やすことにより、バミューダンリバースフローターやバミューダンCMSスプレッドなど、その他の金利系エキゾチック商品にも応用されている。