CVA計算と時価評価の不整合

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解説

以下2つでベースとなるモデルや評価ロジックが異なっていることがある。
・XVAなしの時価を求めるとき
・XVAを求めるとき

例えば、
・時価評価ではスマイルを考慮して精緻にプライシングしているが、
・CVAではスマイルを考慮せずATMボラティリティだけにキャリブレーションされたモデル評価していたりする。

CVAでは、
・将来パスを生成するモデルと、
・そのパスをインプットにしてプライシングするモデル、
の2つがあるが、実務では必ずしもこれら2つが整合的になっているとは限らない。

XVAなしの時価評価とXVA評価の2つを整合的にさせるモチベーションとしては、以下のようなものがある。
・時価評価とCVA計算で前提をそろえないと理論的に矛盾が生じる
・時価評価で既に使っているエンジンを再利用したい

例えば、金利モデルでショートレートが正規分布に従うモデルを使っていると、サンプルパスにおいて将来時点の金利がマイナスになることは普通にある。しかしそれをインプットする時価評価エンジンがBlack式だと、フォワードがマイナスになっているので計算できない。

このように
・パス生成と、
・それを用いた将来時点における時価計算で、
モデルが異なると、計算自体が回らないケースもあれば、不整合が生じることもある。つまり不整合とは、将来時価の分布が、パス生成に用いたモデルから導出される時価分布とは異なってくる、ということだ。

違う前提で計算した結果に対して、外から係数をかけて強制的に一致させる方法もある。
CVAモデルと時価評価モデルで、現在時価の差が出るわけだが、これら2つが一致するように、スケーリングする。つまりCVAモデルの時価に係数をかけて、時価評価モデルにおける時価に強制的に一致させる。将来時価についても、現在時価が合うように定めたのと同じ係数をかけてあげる。
しかしこの方法だと、当然ながら将来時価の分布が当初望んでいた通りになるわけではない。

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