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解説
CVAの金利モデルはHull-White1Fモデルが一般的だが、為替モデルは対数正規モデルを使うのが普通だ。これはいわゆるBlack-Scholesモデルとは異なり、国内金利と外国金利がともにHull-White1Fモデルに従い、スポット為替固有のボラティリティは確定的でPiecewiseConstantなものだ。ガウシアンファクターが国内金利、外国金利、スポット為替、と3つあることになるため、ガウシアン3ファクターモデルである。つまりシミュレーションには乱数が3つ必要だ。
スポット為替固有のボラティリティは確定的なので、為替の対数は、正規分布に従う金利のファクター2つと、スポット為替固有のガウシアンファクターの和で表される。正規分布の再生性から、為替の対数は正規分布に従う。
したがって、ボラティリティを金利ボラティリティの分だけ調整すれば、通貨オプションにBlack-Scholes式が使える。
このため、為替モデルのキャリブレーションが解析解を用いて高速に行える。
ここで初心者がやりがちな誤りとして、この為替モデルのボラティリティに、マーケットのBlackボラティリティを補間したものをそのまま用いる、というのがある。
いま、国内金利も外国金利も確率的に動いているため、金利から来るボラティリティが存在している。これに加えて、スポット為替固有のボラティリティがあり、これらから来る分散の合計として、フォワード為替の分散が求まる。
モデルの解析解に代入する分散は、このフォワード為替の分散である。
このため、マーケットのオプション価格をモデルで再現するようにスポット為替固有のボラティリティを求めるには、マーケットボラティリティから金利ボラティリティの影響を除去しないといけない。
もし仮にマーケットボラティリティをそのままスポット為替のボラティリティパラメーターに代入すると、金利ボラティリティの分だけ、モデル価格は市場価格に比べて過大評価してしまう。
先に2通貨の金利モデルをキャリブレーションしておく。そのパラメーターを用いて、通貨オプションのモデル価格を求め、それが市場価格に一致するように、スポット為替のボラティリティパラメーターを逆算する。
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