ノンデリバラブルフォワード(Non Deliverable Forward)のキャッシュフロー

為替フォワードは、満期に2通貨の交換が実際に行われる、つまり現物決済、フィジカルセトルの商品である。

 

それに対して、ノンデリバラブルフォワード、NDFは2通貨の交換ではなく、どちらかの通貨に倒して支払われる、差金決済、キャッシュセトルの商品である。
 
支払い通貨はハードカレンシー、つまり先進国通貨であり、たいていUSDである。
 
例えばUSD/BRLを見てみる。BRLはブラジルレアルである。
 
・USDロング、BRLショート
・USD元本100,000
・予約レート1.50
・満期におけるUSD/BRLが1.55
 
だったとする。
このとき、満期におけるキャッシュフローは、BRLベースだと、
 
(1.55 – 1.50) x 100,000
 
となるが、ノンデリバラブルフォワードでは、これを満期における為替でUSDに倒して決済する。つまり、
 
(1.55 – 1.50) x 100,000 / 1.55
 
をUSDで決済する。
 
 
もしも仮にこれを株式フォワードで言い換えると、上記は、
 
・USDという会社の株式を
・100,000株だけ、満期に買う。
・買うときの株価はBRL建てで1.50で固定されている。
・満期におけるUSDの株価が、BRL建てで1.55になった。
 
というわけである。
 
満期において、自然な決済としては、
株価の差分に株数をかけたものであり、
株価がBRL建てなわけだから、
この決済金額はBRL建てである。
 
しかしながら、BRLで決済するわけではなく、
これを株価で割って、株数に変換して決済している。
株式などの資産で考えると、株式の単位は株数なので、このように、ヘンテコに見えてしまう。
 
ところが、為替の場合は、外貨自体を資産として考えているので、株式における株数に該当するのは、外貨の単位であり、それはつまり外貨そのものである。
外国通貨それ自体を資産として考えているため、その単位である外貨建てで直接、決済できるのである。
 
 
 

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