スマイルモデルとプライシングモデル

バニラモデルとエキゾチックモデル

以下の2つを混同している人が多い。

  • (バニラオプションの評価に使う)スマイルモデル
  • (エキゾチック商品の評価に使う)プライシングモデル

スマイルモデルは、マーケットのボラティリティをストライク方向に補間補外するためのモデルである。これは、バニラオプションの評価にも必要であり、エキゾチック商品の評価にも必要である。
スマイルモデルの例には、SABR、VannaVolga、SVIなどがある。

プライシングモデルは、エキゾチック商品のプライシングに用いるモデルである。これは、バニラオプションの評価には必要ない。
プライシングモデルの例には、Hull-White、MarkovFunctional、LocalVolatility、StochasticLocalVolatilityなどがある。

中にはHestonのように、スマイルモデルとして用いる場合もあれば、プライシングモデルとして用いる場合もある、というモデルも存在する。

プライシングモデルは、スマイルモデルをインプットとして必要とする場合が多い。典型的な例はLocalVolatilityであり、無裁定を保証する滑らかなスマイルをインプットしないといけないが、このときスマイルを補間するのに必要になるのがスマイルモデルである。スマイルを補間するのはLocalVolatilityモデルの役割ではない。

なお、スマイルモデルはバニラオプション専用のプライシングモデルということもできる。バニラオプションもエキゾチック商品と同様に、モデルがないとプライシングできないのである。なぜなら、ボラティリティスマイルを考慮するにはモデルが必要になるからである。

参考文献

Smile Pricing Explained (Financial Engineering Explained) (English Edition)

The Volatility Smile (Wiley Finance)