邦銀のFVA計上はいつなのか

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解説

質問をいくつか頂いたので知っている範囲で順番に回答していきたい。

まずは、邦銀も一斉にFVA計上を始めるのか否か、という点だ。
これについては、一斉にというわけにはいかないだろうが、大手行から順にFVAを導入していくことにはなるだろう。しかし、その時期はかなり先であろう。
邦銀はやっと最近になってCVA計上が始まったところなので、まずはCVAのみ先に導入するケースが多いと思われる。その後、FVAについて、DVAも含めてどのように導入するのかを考える、ということになる。
多くの邦銀はまだCVA導入の準備を始めたばかりであり、FVAについてはまだ議論中か、議論すら始まっていないと思われる。今後は、大手から順にCVA導入が進み、その後、FVAの導入が始まるという感じだろう。

入れ方としてはいくつものパターンがある。
・まずはCVAを先に入れて、その後、FVAを入れる
・CVAとDVAを先に入れて、その後、FVAを入れる
・CVAとFVAを同時に入れる
などなど。
将来的にもFVAをそもそも入れないという選択肢は、ないだろう。
これだけ多くの外銀が導入済みであり、日系では大手証券1社が導入済みというのは広く知られている。
会計の公正価値の観点からは、ノベーション時にデリバティブ業社が出してくるプライスが出口価格であり、現状ではこれにCVAやFVAが考慮されるのが当たり前になっていることから、むしろ入れないといけない、ということになる。
もっとも、現在は、日本の会計基準における時価算定基準は、かなりゆるい規定になっているため、厳密に出口価格を見積もることは求められていないようだ。
しかしながら、近い将来には日本の時価算定基準も厳格化される見通しであるため、仮にそうなると、出口価格を見積もることが求められる。
このため、CVAに加えてFVAを導入することも必須になってくるだろう。
一方で、地銀などがCVAやFVAを導入するのは困難ではないか、といった声もあがるはずであり、実務適用においてはいろいろと抜け穴が作られるのかもしれない。

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