OISに関連するいろんな金利

初心者からの質問を聞いていると、OISで出てくるいろんな金利がごちゃごちゃになっているようだ。例えば円OISであれば、

 
⑴無担保コール翌日物の実取引で、約定ごとにきまるレート
 
⑵1日1回公表される、前日の無担保コールレート⑴を平均したもの。これはTonarとよばれる。
 
⑶毎営業日に決定されるTonar⑵を複利運用して、1年に1回支払う変動金利
 
⑷1年に1回支払う固定金利
 
これらは全て円OISに関連する金利ではあるが、それぞれ全く異なるものである。
 
ブルームバーグなどの情報端末で見えているのは、⑵と⑷である。
 
オーバーナイトインデックスとよばれるのは⑵であり、オーバーナイトインデックススワップレート、つまりOISレートは⑷である。
 
⑴は実取引のレートであり、約定した取引の数だけある。1日に何個も出てくるレートである。
一方で、⑵は中央銀行が1日1回しか公表しない。
また、⑷はマーケットクォートが市場変動に合わせて1日に何回も違うレートが取得できる。
 
⑵は過去のレートは検索すれば出てくるわけだが、将来のレートは、銀行でも予想値をひとつひとつ逆算することはない。なぜなら、OISの変動金利の評価上は、⑵がわからなくても⑶さえわかればいいからだ。
 
⑵は毎営業日フィキシングされるので、バック部署でフィキシングされたレートをシステムに毎日入力しないといけない。
 
⑶はマーケットでは直接見えず、将来のレートについては、⑷のスワップレートから逆算することで求める。
 

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