最近は大きく分けて2つの問題が話題になっている。
⑴フォールバックが通貨やプロダクトによって変わってしまう問題
ISDAは、バックワードルッキングなレートに切り替えるよう準備しているが、ユーロについてはユーロ圏の銀行が独自路線を歩もうとしており、彼らはフォワードルッキングなレートへの切り替えを主張している。
他には、米国の変動利付債はRFRに切り替わるタイミングが遅れる可能性が出ている。そうなると、デリバティブはRFRに切り替わったが債券サイドは切り替わっていない、という状態になり、ヘッジがワークしなくなる。
⑵フォワードルッキングなレートの開発、普及は困難でしょ問題
フォワードルッキングなレートを開発するには、RFRを参照する先物やスワップなどのデリバティブ商品の流動性が十分にないといけないが、現状ではどの通貨でも厳しい。
フォワードルッキングなレートでないと、利息金額が利払い直前にならないと決まらず、Liborとは異なるオペレーションが必要になり、困難は必至だ。
これら⑴、⑵の問題に関する議論が大勢を占めているが、追加のニュースとしては、CCPのドルの割引金利がFedFundsからSOFRに切り替わってきている。CMEに続いて、LCHも、2020年のQ2にはドル担保に対する金利をSOFRに切り替える予定だ。すると、割引金利は自然とSOFRに変わるので、LCHでドルスワップを清算している邦銀も、それに合わせて割引金利を切り替えないと、LCHの出す正式な時価と、自社システムの出す時価が大きく乖離する可能性がある。
—–