EONIAの代替金利はEsterか

Benchmark bother: Europe frets over new risk-free rate

Risk.net

・2020年以降はEUのBMR(Benchmark Regulation)によって、EONIAが使えなくなる。

・EONIAの代替として、3つの金利が候補として挙がっており、そのうち2つはレポレート、もう1つはEsterである。

・現在のところ、Esterが選ばれる可能性が高いと見られている。

・レポレートの1つは、index providerであるStoxxが提供するGeneral Collateral Pooling Deferred rate、
もう1つのレポレートは、Nex Dataが提供するRepoFunds rateである。

・レポレートについては、ECBによる大胆な金融緩和策によって、レポ市場がゆがんでしまっているのが問題。
具体的には、ECBが欧州の国債を買い占めているため、市場に出回っている国債が少ない。

・このため、国債を担保に入れて現金を借り入れるレポ市場においては、
市場では貴重な国債を担保に入れるわけだから、それによって現金の借入金利(レポレート)が非常に低くなっている。

・したがって、レポレートはEONIAと比べて非常に低く、インターバンクでのファンディングコストを正確に反映しているとはいえない。
それに比べると、EsterはEONIAの水準にある程度近くなっている。

Esterは、Euro Short-Term rateという無担保レートであり、
ECBのMMSR(Money Market Statistical Reporting Regime)に従って銀行が報告する実取引に基づいている。

・Esterは現在は存在していないレートだが、ECBは、2019年の10月までには公表を開始する、と述べている。
しかしながら、2020年からはベンチマーク規制によってEONIAが使えなくなるので、期限ぎりぎりにならないとレートを取得できない、という問題がある。

・これを踏まえて、ECBは既にEsterの実験台として、pre-Esterを公表している。
pre-EsterはEsterと同じ方法で計算されているが、取引の解約や条件変更などによる金利変更の影響が除去されていないという点で、Esterと異なる。
そのため、市場参加者はpre-Esterをあまり信用しておらず、それよりも、Esterの公表開始を前倒ししてほしい、と考えている。

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