IM導入後にも残る決済リスクと、解決策

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・Leif Andersenらの調査によると、Variation Marginに加えてInitial Marginを拠出したとしても、カウンターパーティリスクは想定していたほどには減らない。

・規制当局の期待では、100分の1?になってほしかったが、実際に計算してみると、10分の1?ほどのオーダーでしか減少しなかった、とLeif Andersenらは報告している。

・主な要因は、Trade PaymentとMargin Paymentに2営業日?ほどのギャップがあることで、決済リスクが消えないため。

・マージンピリオドリスク(MPoR)の期間に大きなキャッシュフローが起こる場合に、エクスポーじゃーが跳ね上がる”spike effect”があるとしている。

・IMを拠出することで、MPoRによるエクスポージャーがかなり削減されるという理解だったが、これが思っていたほど減らなかったという話か?

・主な解決策として2つ挙げられており、①CSAを修正して、Margin PaymentをTrade Paymentにそろえる方法、②PvP(Payment versus Payment)システムを採用するCLS Bankを通して決済する方法、がある。

・①は既に一部の取引に適用されているが、②についてはまだ広がりを見せていない。

・②のPvPとは、相手方の支払いを確認した場合に限り自分も支払うという方法で、伝統的に”Herstatt Risk”と呼ばれる外貨の決済リスクの削減に効果があるもの。

・②は2011年頃に一時的に盛り上がった、Standard CSAの検討時に出ていた話であり、新しい考え方ではない。

・Margin PaymentとSwap Cashflowsには何の違いもないのだから、この考え方をSwap Cashflowsにも拡張させようというもの。

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