CCPの計算ロジック開示の粒度

Risk (Feb 2017)

What’s in the black box ?

記事

・CCPは自身のリスク管理の詳細について情報を十分に開示していないため、マージンコールの金額が予想できない、と多くの金融機関が愚痴をこぼしている。

・これは特に、先のBrexitなど、ストレス期には大きな市場変動によって、複数のCCPから多額のマージンコールが発生するため、銀行サイドとしては、CCPの証拠金計算がブラックすボックス化しているのは困る。

・CCPは計算のアウトプットについては整理したレポートを開示しているものの、インプットデータや計算ロジックの詳細については情報が不十分だとの声が挙がっている。

・開示が求められている情報は以下。

①VaR/ESモデル

  ・イールドカーブ

  ・各リスクファクターに仮定している分布

  ・ルックバック期間

  ・重み付け方法 (weighting scheme)

  ・ボラティリティのフロア

②当初証拠金計算の各種パラメーター

  ・インプットデータ

  ・tiering structure

  ・ルックバック期間

  ・信頼水準

③ベースシナリオの計算に対して加えられるアドオン

④Statistical Reports

・一方で、CCPは十分に必要な情報を開示しているとの見解を示しており、あまりにも詳細に開示しすぎると、個別の銀行のポジションなどconfidentialな情報が流出したり、それを逆手に取って悪意のあるトレードをする者が出てくることを危惧している。

・そんなに開示してほしいのであれば、個別のCCPにお願いするよりも、直接当局に主張したほうが早い、と言い返しているCCPもあり、すぐに改善される見込みはないかもしれない状況。

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