バランスギャランティースワップ

金利スワップで元本が減っていくものをアモチ付き金利スワップなどというが、よくあるのは、ローンに紐付いているものだ。ローンであらかじめ決められた返済スケジュールに応じて、そのヘッジに用いているスワップの元本もそれに合わせて減らしていく。

同様に、住宅ローン担保証券に紐付いた金利スワップもアモチしていくが、このように、住宅ローンなどの証券化商品の元本償還に合わせてアモチしていく金利スワップを、バランスギャランティースワップという。
 
この場合、住宅ローンには期限前償還があるため、取引開始時において、元本の返済期日と返済額のスケジュールが確定しない。よって、金利スワップのアモチスケジュールも確定しない。
 
このような金利スワップをまじめに評価しようとすると、金利に加えて期限前償還率も含めたツーファクターのモデルが必要になる。期限前償還率は明らかに金利と相関があるため、別々に考えることは望ましくない。
 
しかしながら、証券化商品においては、いまだに、期限前償還率、デフォルト率、デフォルト時損失率などのパラメーターを、ヒストリカルデータから求めた値で固定値にしていることもある。これにならうと、期限前償還率を固定値にして、元本返済スケジュールを確定してから、それに紐つくバランスギャランティースワップを評価することになるが、これでは金利と相関する期限前償還率を適切に評価に織り込めないだろう。

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