スワップの固定利払い頻度

金利スワップは変動金利と固定金利の交換だが、変動金利の利払い頻度と、固定金利の利払い頻度は、同じである必要はない。

マーケットで流動性のある標準的なスワップのクォートは、通貨ごとに特定の取引条件を基に計算されている。このように暗黙の了解で設定されている標準的な取引条件のことを、コンベンションという。

 

 
円金利スワップの場合、利払い頻度のコンベンションは、変動も固定も6Mでそろっているが、外貨の場合は必ずしもそうではない。
 
ドル金利スワップの場合は、変動は3Mだが固定は6Mだ。つまり、変動利払い2回につき固定利払い1回である。
このコンベンションは米国でのクォートであり、最も一般的なものだが、欧州でのドル金利スワップのクォートは、変動3Mに対して固定12Mが一般的である。
さらに、米国のクォートでは固定金利のデイカウントは30/360だが、欧州のクォートではA/360である。
ブルームバーグ画面でも、これら固定利払い頻度が異なる2種類のドルスワップレートが別々のティッカーで提示されている。
 
欧州通貨では、固定利払いは12Mも多い印象だ。
EURは変動6Mの固定12Mで、
CHFも同じだ。
GBPは少し異なっており、変動6Mの固定6Mだ。
 
これら欧州通貨では、変動6Mのスワップが最も一般的だが、変動3Mのスワップもそれなりに流動性がある。
EURは変動3Mの固定12Mで、
CHFも同じだ。
GBPは変動3Mの固定3M
となっている。
 
NZDは変動3Mに対して固定6Mだ。
 
AUDは特殊であり、スワップ満期によってコンベンションが異なる。
満期3年までは、変動3Mの固定3Mだが、
満期4年以降は、変動6Mの固定6Mだ。
つまり、満期によって変動金利インデックス自体のテナーが異なるという、かなり特殊なコンベンションになっている。
 
CADも特殊であり、変動金利インデックスのテナーは3Mで、3Mごとにフィキシングされるが、利払いは、複利運用されて6Mごとに行われる。一方で、固定の利払い頻度は6Mである。

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