為替フォワードの評価

為替フォワードは為替予約とも言われるが、2つの評価方法がある。ここではドル円やユーロ円など、対円の取引を考える。

1つ目は、通貨ベーシススワップなど、金利商品から生成した2通貨のイールドカーブからフォワード為替を求めて、外貨キャッシュフローにフォワード為替をかけて円転し、ネットの円キャッシュフローを円のディスカウントファクターで割り引く方法だ。フォワード為替を求めるときのイールドカーブには通貨ベーシスを考慮する。マーケットの為替スワップポイントは用いない。
 
2つ目は、為替スワップなど、為替商品から求めたフォワード為替を用いて円転し、円のディスカウントファクターで割り引く方法だ。こちらは、市場の通貨ベーシスを用いない。
 
これら2つの評価は、通貨ベーシス市場と為替スワップ市場で裁定がはたらいていれば、ほぼ同じ結果になるだろう。しかしながら、1年未満の通貨ベーシスから求めたインプライドフォワード為替と、1年未満のマーケットのフォワード為替は一致しない。満期が1年以上になればより一層ずれてくるだろう。
 
為替予約はあくまで為替商品であり、通貨ベーシススワップでヘッジするわけではないため、為替スワップポイントから求めたフォワード為替を用いる方が自然である。
 
ところで、通貨スワップと為替スワップを混同している人もいるので、別の機会にでも書いておきたい。
 
 

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