台湾の規制とUSD建てコーラブル債

Formosas, the Fed, and the billion-dollar Bermudan trade

Risk (June 2017)

記事

・台湾の生保は規制上のメリットを享受するために、

 積極的にUSD建てのマルチコーラブル債「Formosa Bonds」への投資を進めてきた。

・台湾では投資家が発行体の格付けに対して保守的な投資行動をとるため、

 高格付けの発行体が多い一方で、高クーポンであるFormosa Bondsは人気を集めている。

・台湾の生保は昔からの高い予定利率を維持しているため、

 ハイイールドの資産に投資する必要に迫られている。

・銀行はFormosa Bondsに関連して、バミューダンスワップションを買い、

 ヨーロピアンスワップションを売るポジションとなっている。

・このビジネスは銀行にとって高収益を生み、USD金利オプション市場において

 最も重要な収益の柱になっている。

・このFormosa Bondsに関連した銀行のスワップション売りが、

 USD金利ボラティリティが低い要因の一つといわれている。

・ところが、台湾の規制が変更される見通しとなり、ノンコール期間が最低5Yと長期化する。

 これにより発行体にとって借り換えの柔軟性が下がるため、

 USD金利ボラティリティの上昇と、銀行収益の減少が懸念されている。

・台湾という小国がUSD金利ボラティリティという大きな市場に影響を与えていることは

 興味深い。

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