テナースプレッドは、同じ通貨、同じ金利インデックスの異なるテナーのレートを交換するスワップにおいて、短いテナーの方に乗せるスプレッドだ。USDの3-6であれば、USD Libor3MとUSD Libor6Mを交換するベーシススワップにおいて、3Mサイドに乗る。
通常であれば、3Mサイドは利払い頻度も3Mで、6Mサイドも同様だが、USDの場合は少し異なる。
USDでは、3MサイドのLiborが1回コンパウンディングされて、6Mごとに支払われる。ここで、コンパウンディングは複利運用のことである。よって受けと払いの両サイドが6Mごとに利払いする。
コンパウンディングの方法としては、ベース金利のみを複利運用する方法と、ベース金利にスプレッドを足したものを複利運用する方法があるが、USDのテナースプレッドの場合は、スプレッドなしのLiborのみを複利運用する。
また、同様に、USDの1-6であれば、Libor1Mが5回コンパウンディングされて6Mごとに支払われる。テナーが長い方のサイドにそろえて利払いが行われるわけである。
このようなコンベンションは、USD以外の通貨ではあまり見かけない。
テナースプレッドは、通貨ごとの標準テナーではないオッドテナーのプロジェクションカーブを生成するのに用いるため、ここの段階でコンベンションの想定を誤ってしまうと、その後のプライシングが全てずれてしまうので、注意が必要だ。
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