FRAからSingle Period Swapへ

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解説

ベンチマーク金利がRFRに変更になると、今のところでは、バックワードルッキングなレートになりそうだ。もしそうなるとすると、FRAは取引できない。なぜなら、FRAは金利の付利期間の開始日にキャッシュフローが発生するからである。

付利期間の開始日には、まだバックワードルッキングなRFRのレートは決まっていないため、決済できない。バックワードルッキングなRFRは、付利期間の終了日にキャッシュフローが発生する。
このため、FRAの契約としては、ベンチマーク金利の変更に加えて、キャッシュフローが発生する日も変更しないといけない。
 
これを受けて、市場ではFRAの代わりとして、Single Period Swapが注目されている。
これはキャッシュフローが1回だけの金利スワップであり、経済効果はFRAと同じだが、キャッシュフローが付利期間の終了日に発生するところが異なる。したがって、バックワードルッキングなレートに切り替わっても決済できる。
 
今後はFRAを取引するのはやめて、代わりにSingle Period Swapを取引するよう働きかける動きが市場で出てきそうだ。しかし、現状ではまだこのようなスワップは流動性がないので、価格発見能力に難があり、提示される固定レートが信用できるものではないだろう。



参考文献

スワップ取引のすべて(第5版)

実践デリバティブ: Excelでデータ分析

Interest Rate Swaps and Their Derivatives: A Practitioner’s Guide (Wiley Finance Book 510) (English Edition)

Interest Rate Derivatives Explained: Volume 1: Products and Markets (Financial Engineering Explained) (English Edition)



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