EUのCVA資本免除はしばらく継続か

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参照記事

Staying alive: the EU’s stubborn CVA exemption

Risk.net

まとめ

・EUでは事業法人顧客に対するCVAが資本規制から免除されているため、EUの銀行にとってはCVAによる資本のアドオンが少なくすんでおり、資本コストをかなり節約できている。

・この免除はUSなど他の地域にはないEU独特の規制であり、批判も根強いが、今後数年くらいは現在の免除が続く見通しが出てきた。

・その理由としては、Basel規制の新しいCVAフレームワークが昨年末にようやく最終化されたことを受けて、EBAは規制変更による影響の数値検証を長期間かけて行うことになるため、その結果がまとまるまでは、現在の規制が変更されることはないと考えられるから。

・現在のCVA免除を廃止すると、銀行が事業法人に対してCVA資本の分だけ高い(顧客に対して不利な)価格を提示することになるので、事業法人がそのコストを支払う羽目になる。

・EUの規制当局としても、ヘッジ取引を行っているだけの事業法人が、自分たちとは関係ない銀行の資本規制のせいで高いコストを払わされることについて、その影響も大きいことから、すぐには現在の免除を廃止にはしないだろうと考えられる。

・一方で、仮に現在の免除が廃止になった場合には、欧州の銀行が顧客に提示する価格が上昇するため、既にCVA資本を積んでいる米国の銀行にとっては、同じ土俵で競争できるため、欧州の事業法人向けビジネスにおいて、現在よりもマーケットシェアを伸ばせるだろう。

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