ATMとストライクの定義はアセットクラスごとに異なる

市場でクォートされているボラティリティスマイルは、ATMとストライクの定義がアセットクラスごとに異なる。

金利系は、ATMといえば必ずフォワードである。つまり、ストライクがフォワードレートに一致するオプションをATMオプションという。
金利系のストライクは、ATMからの差分をベーシスポイント単位でクォートする。ストライクが50と書いてあればATM+50ベーシスである。
スワップションはそうなのだが、キャップフロアは違っており、絶対ストライクになっている。つまり、1%とか3%となっており、差分でクォートされない。
 
為替系は、ATMの定義が通貨ごと、満期ごとに異なるのが特徴だ。短期はデルタニュートラル、長期はフォワードがATMになる。
ストライクはデルタでクォートする。25デルタや10デルタといった具合だ。
 
株式系は、ATMはスポットである。ストライクがスポット株価に一致するオプションがATMオプションである。
ストライクは、スポットからの乖離率をパーセント表示する。ATMは100であり、120とあれば、ATM x 1.2がストライクである。
 
金利系は金利の差分をベースに考えており、金利の差分をモデル化する正規分布アプローチが多い。
為替系は為替の変化率を見ており、しかもその中でも特に、ブラックショールズを下敷きにしてクォートされている。
株式系は株価の変化率を見ており、株価の変化率をモデル化する対数正規分布アプローチが多い。

—–