Clearers diverge on SOFR swaps discounting
Risk.net
・USDスワップの担保金利をどうするかについて、CCPの間で違いが出てきている。
・CMEは近いうちにFedFundレートからSOFRレートに切り替える一方、LCHはひとまず変更せずにFedFundレートを引き続き使用する。
・USDスワップについては今後、変動金利の参照インデックスが、従来のLIBOR3MからSOFRに切り替わっていくことが決まっている。
・これとは別に、割引金利の問題がある。金利スワップは今やCCPで清算することが一般的となっていることから、(CCPで清算されている)金利スワップの割引金利は、CCPが変動証拠金に対して適用する担保金利である。
・インターバンクのUSDスワップではUSDキャッシュを担保に差し出すことから、担保金利はUSDのオーバーナイトレートになる。
・USDのオーバーナイトレートといえば、従来はFedFundレートであったが、今後は、LIBORの代替として変動金利インデックスに用いられる、SOFRレートの方が一般的になることが予想される。
・CMEはその動きを見越して、担保金利をSOFRに切り替えようとしているが、これについては少し早すぎるのではないかとの意見もある。
・担保金利をSOFRに切り替えると、自動的に、CCPのスワップ取引の割引金利もSOFRに切り替わるため、市場のSOFRレートが変動すると、スワップ取引の時価も変動することになり、SOFRの変動リスクが生じることになる。
・SOFRの変動リスクをヘッジするには、SOFRを参照する金利スワップであるSOFRスワップをトレードする必要があるが、SOFRスワップのトレードは、少しずつ市場で見られるようにはなっているものの、まだ、多くの満期において流動性がある、というような状態ではない。
・このため、まだSOFRスワップマーケットの流動性が不十分な状態で担保金利をSOFRに切り替えると、清算参加者はSOFRリスクをどうヘッジするかという問題に直面する。方法としては、いったん、SOFRに水準が近い金利を参照するスワップで、ざっくりとヘッジ(プロキシーヘッジ)するしかないだろう。
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