ドルLiborにかわるRFRはSOFRだが、まだ取引量は非常に少ない。それでも、将来的にはドルLiborの取引がSOFRに切り替わることは決定しており、来年にはLCHの担保金利がSOFRに切り替わる予定である。今後はSOFR債券やSOFRスワップなどの取引が増えそうだ。
これを受けて、市場ではSOFRのイールドカーブを構築するためにシステム改修が行われている。グローバルバンクは既に対応済みだろう。ブルームバーグでは既にカーブ生成ができるようになっている。
カーブ生成に用いる商品は、短いところは金利先物、長いところはFF-SOFRベーシススワップである。
SOFR先物は、比較的流動性がある手前の7限月くらいを用いる。SOFR先物には付利期間が1Mのものと3Mのものがあり、これらを両方用いる。1Mと3Mをそれぞれ別々にブートストラップして、結果を最後に1つにまとめる。
ここで、SOFRはオーバーナイトインデックスなのでインデックステナーはONのみであり、テナーベーシスの概念はない。フィキシングはONで行われていくが、それを累積していき、変動金利は最後にまとめて支払われる。この支払い期間に1Mと3Mの2種類があるわけである。
注意すべきなのは、この一日置きのフィキシングを累積していく方法が、1Mと3Mで異なるという点である。
・SOFR1M先物は算術平均を変動金利として支払う
・SOFR3M先物は複利運用した金利を支払う。
算術平均の場合は、現在のFF-LiborベーシススワップのFFレグと同様に、コンベクシティ調整が必要になる。
SOFRスワップの取引もじわじわ増えていくだろうが、今のところはほとんど流動性がない。
現在のUSDオーバーナイトインデックスであるFFと新しいUSDオーバーナイトインデックスであるSOFRを交換するベーシススワップの方が流動性がある。
このベーシススワップの割引金利のコンベンションは、まだSOFRではなく、FFのままである。
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