通貨オプションプレミアムの単位

為替レートは2つの通貨の組み合わせできまるが、
例えばUSD/JPYであれば、1単位のUSDの価格をJPY建てで表示したものだ。
 
ここで、USDに対応するものをベース通貨、JPYに対応するものをターム通貨、などと言う。
 
AUD/USDであれば、AUDがベース通貨、USDがターム通貨である。
 
ベース通貨は、ひとつの資産としてみる通貨であり、
ターム通貨は、その資産の単価の表示通貨である。
 
 

通貨オプションの元本は、ベース通貨で表示されるが、そのオプションプレミアムは通常、ターム通貨で表示される。

USD/JPYのオプションであれば、元本はUSD、オプションプレミアムはJPYで表示される。
 
これはなぜなら、この通貨オプションの原資産は為替レートであるが、この為替レートはドルの単価を円で表示しているからである。
原資産の単価の表示通貨が、オプションプレミアムの通貨になる。
 
日経平均の株式オプションであれば、原資産価格は円で表示されているので、プレミアムは円表示だが、
SPの株式オプションであれば、プレミアムはドル表示になる。
 
ここで以下の例を考えてみる。
・元本100,000ドル
・ストライク110、つまり権利行使により円は、
110 x 100,000 = 11,000,000
だけ出てくる。これが円元本である。
・スポット為替レートが100
としよう。
 
このとき、オプションプレミアムの表示としては以下の4通りが考えられる。
 
⑴オプションプレミアムが100ベーシス、つまり1%と言われたとする
 
⑵円元本の1%だから、11,000,000 x 1% = 110,000円
 
⑶ドルで表示すると、スポット為替レートで割って、110,000 / 100 = 1,100ドル
 
⑷ドル元本に対する%で表示すると、1,100 / 100,000 = 1.1%であり、1%ではない。
 
ここで、⑴と⑷が異なることに注意しよう。
円元本に対しては1%だが、ドル元本に対しては1.1%である。
これは、円元本はスポット為替レートではなく、ストライクレートで決まるからである。
 
ストライクレートは、スポット為替レートとは関係なく、契約で自由に決めることができる。
このため、ストライクレートとスポット為替レートの間には何の関係もない。
それによって、円元本とドル元本でプレミアムのパーセントが異なってくるのである。

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