ローカルボラティリティと確率ボラティリティ

Local Volatility Modelは、原資産のボラティリティを原資産に関する確定的な関数としたものだ。

原資産が確率的に動くため、結果的にボラティリティも確率的に動いているように見える。
しかし、ボラティリティは原資産の確定的な関数になっているので、原資産の動きと完全に連動している。
このため、不確実性は原資産から来る1つのファクターのみであるから、2ファクターモデルではなく1ファクターモデルである。
つまり、シミュレーションするには乱数が1つだけでよい。
 
このモデルは、
・今日のスマイルに完全に合わせることができるが、
・将来のスマイルをうまく表現できない。
 
2点目について、イメージとしては、
・原資産とボラティリティの関係が、モデルの中で自動的に決まってしまう
・そのため、モデルのユーザーが外部から調整してコントロールすることができない
という感じだ。
 
将来のスマイルのダイナミクスが不自然になるため、経路依存の商品をプライシングするにはあまり適切ではない。
しかし実際には、経路依存の商品にも幅広く適用されている。
 
ちなみに、Local Volatility Modelは2つに分けられる。
・パラメトリックなもの
・ノンパラメトリックなもの
である。これについては別の記事で書こう。
 
これに対して、Sochastic Volatility Modelは、
・ボラティリティを原資産とは別にモデリングして、
・原資産との間に相関を入れる
というものである。
ボラティリティが原資産と完全に連動するのではなく、不完全な相関が入ることになり、2フャクターモデルである。
つまり、シミュレーションするには、乱数が2つ必要だ。
 
Stochastic Volatility Modelは、最適化によるBest Effortベースでのキャリブレーションが必要になる。
そのため、今日のスマイルに完全にフィットさせることはできない。
 
一方で、原資産と不完全な相関をもつボラティリティ自体が、確率的に動くことにより、
原資産が変化したときのスマイルの動きをうまく表現できる。
 
Stochastic Volatility Modelにも、数多くの種類があり、それらを総称しているに過ぎない。

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