ローカルボラティリティとインプライドボラティリティの関係式は文献によっていろんなバリエーションが書かれているが、ここでは満期方向に見たときの関係と、ストライク方向に見たときの関係に分けて考える。
満期方向に見たとき:
インプライドボラティリティは、満期までのローカルボラティリティたちを平均してならしたものである。
逆にいえば、ローカルボラティリティは、満期の異なるインプライドボラティリティたちを、将来時点の区間ごとに細かく分解したものである。
別の言い方で言えば、インプライドボラティリティは平均ボラティリティであり、ローカルボラティリティは瞬間ボラティリティである。
ストライク方向に見たとき:
HaganたちのSABR論文の元ネタになっている論文で、ローカルボラティリティとインプライドボラティリティの間の近似式が導出されている。
IV(T, K) ~ LV(T, (F+K)/2)
であり、実際にはより高次の項があるが無視することとする。IVはインプライドボラティリティ、Tが満期、Kがストライク、LVはローカルボラティリティ、Fはフォワードレートである。
インプライドボラティリティはフォワードレートからストライクまで平均してならしたボラティリティと見れば、それがフォワードレートとストライクの中間地点のローカルボラティリティに近いことはイメージできるだろう。
この近似式からローカルボラティリティモデルにおけるスマイルのダイナミクスを推察できるのだが、それはまた別の記事で書こう。
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