FRTBがゆるくなった

今年になって出てきたFRTBの改訂版では、内部モデルを使うための要件が緩和されている。

リスクファクターがノンモデラブルとみなされてしまう条件が少しゆるくなっており、市場で観測できる頻度がそれほど多くなくても、ノンモデラブルリスクファクター、いわゆるNMRFに指定されない。
リスクファクターがノンモデラブルとみなされてしまうと、追加の資本を積まないといけない。
 
内部モデルで規制資本を計算する際には、リスク値が実際の時価変動を十分に説明できるモデルを用いないといけない。
この説明力をチェックするテストがPnL Attribution Testであり、これがかなり厳しいので、これをパスできるほどの説明力を持たせようとすると、あまり流動性のないレートや、市場での観測が困難なリスクファクターを多数追加しないといけない。
 
改訂版のFRTBでは、これらリスクファクターのうち、ノンモデラブルとみなされてしまうファクターの数がある程度減ることが見込まれる。
これによりNMRFによる追加資本が減少するため、改定前のFRTBに比べ、内部モデルを用いるインセンティブが少しは高まることが予想される。
しかしながら、今回の改訂によってどれくらいの資本節約になるのか、数値実験を繰り返して慎重に確認する必要がありそうだ。

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