金利スワップとOIS:LIBORが無くなると、金利スワップのほとんどがOISになる

金利スワップの具体例がOISであり、OISは金利スワップの一種である金利スワップにはいろんな種類があり、そのうちの1つがOIS、というわけだ。

金利スワップは、同じ通貨の変動金利と固定金利を交換する取引である。
さらに、一般的に「金利スワップ」というと、それはたいてい「LIBORスワップ」のことである。つまり、変動金利がLIBORで、それと固定金利を交換するスワップを意味する。

しかしながら、金利スワップの変動金利として必ずLIBORを使わないといけない、というわけではない。円であればTIBORを参照する金利スワップも多い。円の金利スワップの変動金利としてよくあるのは、LIBORやTIBORなのだが、そうではなくて、オーバーナイトインデックス、というものを変動金利として用いる場合、その種類の金利スワップはOISと呼ばれる

オーバーナイトインデックスとは、オーバーナイトレートをもとに計算された金利インデックスのことである。オーバーナイトレートとは、今日借りて明日返す金利である。オーバーナイトインデックスの名前は通貨によって異なり、円であればTONA、ドルならSOFR、といった具合である。したがって、
・円のOIS = TONAスワップ
・ドルのOIS = SOFRスワップ
ということになる。

円金利スワップのメジャー度合いは、

LIBORが無くなる前:
円LIBORスワップ > TIBORスワップ > 円OIS(=TONAスワップ)

LIBORが無くなった後:
円OIS(=TONAスワップ)> TIBORスワップ

ということになる。なぜなら円LIBORスワップがTONAスワップに置き換わるからである。

以上をまとめると、

・ひとくちに「金利スワップ」といっても、金利インデックスの種類によっていろんな金利スワップがある。

・そのうち、今までは最もメジャーだったのがLIBORスワップなのだが、

・LIBORが無くなると、それがオーバーナイトインデックスに置き換わるため、

・その結果、金利スワップのほとんどがOIS、つまりオーバーナイトインデックススワップになる、

ということである。