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解説
CVAで出てくる誤方向リスクとは、カウンターパーティに対するエクスポージャーが高まるときに限って、そのカウンターパーティのクレジットスプレッドが高まるリスクだ。
CVAはエクスポージャーとクレジットスプレッドの掛け算で出てくるので、これらが同時に高まると、CVAが急増することになる。
イメージとしては、困ったことが起きるときに限って、もう一つ別の困ったことも起きる、という状況であり、泣きっ面にハチ、もしくは、往復ビンタをくらうようなものだ。
海外ではこのような状況を、テーブルからトーストを落としたときに限って、バターを塗った面を下にして落ちる、というように表現するらしい。トーストを落とすだけでも困るのだが、バターを塗った面が下だと、そのトーストを食べるのはより困難になるし、床の掃除もめんどくさい。
CVAの文脈では、例えば銀行が固定受けの金利スワップをしていると、足元の金利が低下すると銀行の利益が増えてエクスポージャーが増える。さらに、金利とクレジットスプレッドに負の相関があると、金利が下がるとクレジットスプレッドが高まる。このダブルパンチでCVAが急増してしまう。
このような金利とクレジットスプレッドを考慮していないと、CVAが過少評価されていることになる。
CVA計算にあたっては、誤方向リスクを何らかの形で考慮することが当局から求められているが、当局も具体的にどのように考慮すべきかのガイドラインを示しているわけではない。
また、その方法について、市場慣行といえるようなものはないため、簡便的にブラウン運動の間の相関として入れるか、そもそも考慮しない、という対応をとっているケースもあるようだ。
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