スワップの評価にはいろんな日付を求める必要がある、というのは以前の記事で説明した。この日付を求めるというのはつまり、金融機関の休日を避けて日付を決定する、ということである。金利の受け払いが休日に当たってしまった場合、その日付を前後にずらして、金融機関の営業日に到達するまで動かさないといけない。ここで休日と言っているものには、
・土日
・祝日
・その他の金融機関休日
が含まれる。
例えば日本であれば1月2日と1月3日は祝日ではないが金融機関の休日である。
このように、利払日などが休日に当たった場合に日付を調整する方法は、Business Day Conventionなどと言うことがある。
一般的な休日調整方法には、以下のようなものがある。
・Following
・ModifiedFollowing
・Preceding
・Unadjusted
最もよく使われるのはModifiedFollowingだが、他も実務でけっこう出くわすことがある。もっとも、Precedingについてはあまり見かけない。
Followingは、休日に当たったら常に後ろにずらす、というものだ。
・土曜日に当たったら月曜日までずらす。
・そして月曜日が休日かどうかを見て、
・休日でなければ月曜日で決定、
・休日であれば火曜日にずらす、
という処理を繰り返す。
ModifiedFollowingは、基本的にはFollowingで後ろにずらすが、後ろにずらした結果、月をまたぐ場合は後ろではなく手前にずらす。例えば6月29日 土曜日に当たった場合、後ろにずらすと7月1日 月曜日だが、これだと月をまたいでしまうので、手前にずらして、6月28日金曜日を利払日とする。
PrecedingはFollowingの逆で、常に手前にずらす、というものだ。
Unadjustedは、休日調整をしない。これは債券に紐付いているスワップに多い。債券のクーポンの支払日に合わせるために、スワップではイレギュラーな日付展開をするというケースは多く、その一例として、休日調整をUnadjustedにする、というものがある。例えば、
・変動利付債のヘッジでやるスワップ
・SPCが発行するリパッケージ債の裏でやるアセットスワップ
などがそうである。