【金利オプション】キャップフロアのプライシング(時価評価/価格計算)方法

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スワップションとキャップの違い
 
金利スワップをプライシングする場合、いきなりプライシングできるわけではなく、事前にマーケットの金利データからイールドカーブを構築しておく必要がある。
 
イールドカーブ構築の手続きはブートストラップとも呼ばれるが、やっていることは結局、
・キャッシュフローが複数回ある利付債を、
・キャッシュフローが割引債たちに分解する、
ことである。
 
違う言い方で言い換えると、
・スワップレートは複数の期間の金利を平均してならしたようなもの
・そこで、満期の異なるスワップレートを組み合わせることによって、
・各期間別の金利に分解している、
ということである。この各期間別の金利のことをフォワードレート、Liborスワップの場合は特にフォワードLiborレート、という。
 
このように、
・平均してならした値しか市場ではクォートされていない
・しかし、プライシングで必要なのは平均してならす前の各期間別の値
・なので、市場でのクォートから、ブートストラップにより、各期間別の値に分解する
ということは、金利スワップ以外でもよくある。
 
その典型的な例が、キャップフロアである。
キャップフロアの市場でクォートされているのは、アベレージボラティリティというもので、
・キャップに含まれるキャップレットたちのボラティリティが全て同じ値と仮定して、
・キャップの市場価格から逆算したもの
である。
 
これは金利スワップのスワップレートに対応するもので、ひとつひとつのキャップレットのボラティリティを平均してならしたものである。
 
しかし、キャップフロアのプライシングで必要になるのは、平均してならす前の、各期間別のボラティリティである。これをフォワードボラティリティやキャップレットボラティリティと呼ぶ。
そこで、
・満期の異なるアベレージボラティリティを組み合わせて、
・各期間別のフォワードボラティリティに分解する
ことになる。これをキャップレットボラティリティのストリッピング、などという。
 
詳細について目をつぶると、本質的にやっていることは、
・アベレージボラティリティからフォワードボラティリティに分解することも、
・スワップレートからフォワードレートに分解することも、
どちらも同じである。
 

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