為替系エキゾチック商品のプライシングでは為替モデルが必要になる。
その為替のドリフトに出てくる金利も確率的に動かすべきかどうか、が問題となる。
為替モデルで金利を動かさないと、モデルはワンファクターである。
金利を動かすと、モデルはスリーファクターになる。
スリーファクターにすると、相関をインプットしないといけないので、会計上レベル3商品になってしまうらしい。
ワンファクターとスリーファクターの使い分け方として、よくあるのは以下。
⑴コーラブルの有無など、商品の種類によって使い分ける
⑵10Y超か否かなど、商品の満期の長さによって使い分ける
⑴についてよくあるのは、コーラブルPRDCはスリーファクター、ノンコールPRDCはワンファクター、というものだ。
そもそもノンコールPRDCはフォワード為替と通貨オプションの組み合わせなので、為替スマイルモデルさえあれば、エキゾチックモデルなしでプライシングできる。
ノックアウトレシオフォワードや、FX TARFなど、ノンコールだけれどもバリアやターゲットノックアウトが付いているものは、スリーファクターはそれほど見かけない印象だ。
⑵についてよくあるのは、満期10Yを閾値にして区別するものだ。
ノックアウトレシオフォワードや、FX TARFであっても、満期が10Yを超える取引についてはスリーファクターとする。
しかしこのような管理はいたずらに煩雑になってしまう気がする。
その他には、いったんワンファクターでプライシングすることにして、取引可能な満期を10Yまで、あるいはそれより短い満期に制限する、という方法もある。
XVA計算であれば、そもそもポートフォリオには金利商品と為替商品が両方混ざっているだろうから、当然金利も為替も確率的に動かすことになる。
さらに言えば、多数の通貨を同時に動かすため、スリーファクターどころではなく、10ファクターなど軽く超えるのが普通である。
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