・満期が長い為替系エキゾチック商品
・コーラブルな為替リンクのエキゾチックスワップ
を評価するには、金利ボラティリティの影響を無視できないため、金利と為替をともに確率的に動かすハイブリッドモデルが必要になる。
国内金利のモデル、外国金利のモデル、スポット為替のモデルの3つが必要になり、普通はそれぞれにワンファクターモデルを用いるので、スリーファクターモデルになる。
ここで、為替系商品なので金利スマイルの影響より為替スマイルの影響の方が大きいため、金利はスマイルを入れられないがシンプルなモデルにして、為替はスマイルを考慮する。
金利モデルの選択肢としてはHull-White 1 Factorの一択だろう。問題は為替である。ありうる選択肢としては、
⑴為替はLognormalとして、スマイルはキャリブレーション対象のストライクを調整することで簡便的に導入する
⑵為替はLocal Volatilityモデルとする
⑶為替はHestonモデルとする
などだが、Todayの為替スマイルを完全に再現したいのであれば⑵が一般的だろう。つまり、HW-HW-LVモデルである。
このモデルのキャリブレーションは、
・国内金利のHWモデルをATMスワップションに合わせる
・外銀金利も同様にキャリブレーションする
・最後に為替のローカルボラティリティを、インプットの為替スマイルモデルを用いて求める
という手順になる。
為替のローカルボラティリティを求める際には、マーケットの為替ボラティリティから、国内金利のボラティリティと外国金利のボラティリティを除去しないといけない。このため、通常のローカルボラティリティとは異なる、より複雑な計算式を用いないといけない。それには共分散の項などが入っており、解析的には求められない。結局のところ、HW-HW-LVモデルのLVの計算には、モンテカルロを用いることになる。手前から時間軸についてワンステップごとにローカルボラティリティを求めて、それを用いて次の時間グリッドにおける為替を求める、という手順を繰り返すことで、時間軸についてワンステップごとにローカルボラティリティを求めていくことになる。
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