【初心者向け】金利スワップの評価に関連するいろんな日付たち

金利スワップを評価するにはいろんな日付が関連してくる。これはマーケット部門に配属された当初、細かすぎて戸惑いやすい箇所である。

金利スワップは変動金利と固定金利を交換する取引だが、変動サイドや固定サイドのことを、FloatingLegやFixedLegなどとLegという用語を使って呼ぶことがある。FloatingLegよりFixedLegの方がシンプルなのでそちらから見ていく。

FixedLegに関連する日付は主に、計算期間の開始日と終了日、利払日の3つ。利払日は計算期間の終了日と同じであることも多い。金利は年率で表示するが、金利は6ヶ月ごとや3ヶ月ごとに支払うので、年率の金利そのままではなく、その半分や4分の1にして支払う。この半分や4分の1というのが金利の計算期間であり、付利期間などとも呼ぶ。この計算期間を求めるのに必要なのが、計算期間の開始日と終了日である。

FloatingLegになるとさらに追加で考慮しないといけない日付が出てくる。まずは、金利の計算期間に加えて金利の参照期間というものが出てくる。これは年率の金利水準を決めるのに参照している期間であり、通常のLiborであれば金利の計算期間と参照期間はだいたい一致することが多い。しかし後決めLiborやCMSなどはこの参照期間が計算期間と異なる。これらの点については以下の過去記事を参照のこと。

金利の参照期間と計算期間の違い

よってFloatingLegの場合は参照期間の開始日と終了日も出てくるので注意が必要だ。

次にフィキシング日である。Liborなどの変動金利インデックスの実現値が決定する日であり、これは参照期間の開始日の2営業日前であることが多い。この2営業日というのはSpotLagなどと言うが、通貨や金利インデックスごとに何営業日前なのかが決まっている。イレギュラーな例としてはGBPのLiborは2営業日前ではなく0営業日前、つまりSpotLagという概念がない。

このようにいろんな種類の日付があり、さらにスワップは定期的に金利交換を繰り返すため、金利交換の回数だけ上記の日付たちを決定しないといけない。その手続きをキャッシュフロー展開や、キャッシュフロー日付の展開などと言うが、この計算手続きについては別の記事で書いてみたい。