・LIBORスキャンダルを受けて、今後LIBORのクォートがなくなっていく見通し。
・各国は既にLIBORの代わりとなる指標金利の開発を進めている。
・USD LIBORについては、SOFR(Secured Overnight Financing Rate)が代替金利となる。
・したがって今後、USDについては、LIBORスワップの代わりにSOFRスワップの取引が広がることが予想される。
・ところが実際にLCHとCMEが、ついに今年2018年中にもSOFRスワップの精算を開始する見込み。
・SOFRと固定金利を交換するスワップのほかにも、SOFRとLIBORを交換するベーシススワップ、SOFRとFF金利を交換するベーシススワップが始まる。
・今までは、新商品の取引が始まる場合、先に相対取引でスタートし、それが普及した後、CCPで精算される、という順番だったが、
SOFRスワップについては、相対取引をスキップしていきなりCCPでの精算が始まるという、新しいパターンとなっている。
・この理由は、当初証拠金のファンディングコストであるMVA、カウンターパーティクレジットリスクの資本コストが含まれるKVAといった、
相対取引に伴うコストが高まっていることが挙げられる。
・市場からのニーズが高い商品については、これらのコストが高くつく相対取引ではなく、コストが安く済む精算取引でいきなり始まる、ということが今後の常識となる可能性がある。
・また、2020年には変動証拠金の金利として、現在使用されているオーバーナイトレート(FF金利)の代わりとして、LIBORの代替金利であるSOFRを適用する動きもある。
・こうなると、有担保取引の割引金利として、現在はUSD担保の場合はFF金利だが、これがSOFRに切り替わるため、OISディスカウンティングがSOFRディスカウンティングに切り替わる。
・日本の地銀がLIBORディスカウンティングからOISディスカウンティングに切り替わるころには、既に市場は(USDについては)SOFRディスカウンティングになってしまっているかもしれない。
—–