LCH-JSCC basis drops as hedge funds arrive
・同じJPYスワップレートでも、中央清算機関(CCP)によって異なるレートが提示されている(CCPベーシス)。
・過去には、LCHとCMEのベーシスや、LCHとEurexのベーシス、そしてLCHとJSCCのベーシスが拡大し、市場で話題となっていた。
・現在では、LCH-CMEベーシスなどは、ポジションの偏りがLCHとCMEで差が小さくなってきたことにより、縮小してきた。
・一方で、LCH-JSCCベーシスだけが、縮小していなかった。これは、規制上の問題によって、JPYスワップについて、日系金融機関はJSCCのみで清算する一方、海外の金融機関は主にLCHで清算しており、JSCCにアクセスできなかったからである。
・JSCCは邦銀が中心であるため、固定受けスワップのニーズが高い一方、LCHは世界中の金融機関が参加しており、固定受けと固定払いのニーズがある程度拮抗している。このため、JPYスワップレートは、JSCCの方が、LCHより低くなっている。JSCCでは、固定レートが少し低かったとしても、そのレートで固定受けをしたい、という金融機関が多いわけである。
・海外のヘッジファンドは、拡大していたLCH-JSCCベーシスを利用した裁定取引を行いたいと思っていた。つまり、固定レートが低いJSCCで固定を払い、固定レートが高いLCHで固定を受けることで、その差額がもうかるわけである。もちろん、両方のCCPにアクセスすることで、当初証拠金のファンディングコストが2倍かかるため、LCH-JSCCベーシスがだいたい4bpを下回ると、上記の取引をしてももうからないようだ。
・そこで、東京に支店を持ち、JSCCにアクセスできる外資系金融機関が、クライアントクリアリングの形で(当該外資系金融機関を経由して)JSCCにアクセスできるようにするサービスを、海外のヘッジファンドに対してセールスしており、それが実を結び始めた。
・これにより、最近になって、海外のヘッジファンドがJSCCにクライアントクリアリングの形でアクセスし始めたことで、JSCCのポジション構成がLCHのそれに近づき、LCH-JSCCベーシスが縮小している。
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