ハザードレートとは

クレジットモデルではハザードレートをモデリングの対象とするが、ハザードレートとは何なのか。

時点tまで生存したという条件のもとで、つぎの瞬間t+dtにデフォルトする確率が、時点tにおけるハザードレートh(t)である。
サイコロ投げで考えてみると、10回連続で1の目がでなかったという条件のもとで、11回目で1が出る確率がh(10)、というようなイメージだ。つまり6分の1である。
 
また、時点tにおける累積生存確率S(t)とは、時点tまでデフォルトしない確率である。
サイコロの例だと、10回連続で1の目が出ない確率がS(10)、というようなイメージだ。つまり5/6の10乗である。
 
さらに、デフォルトデンシティという用語もあり、これは10回連続で1の目が出ず、かつ、11回目で初めて1の目が出る確率、というようなイメージだ。
つまり、デフォルトデンシティは、累積生存確率にハザードレートを乗じたものである。
逆にいうと、ハザードレートは、デフォルトデンシティを累積生存確率で割ったものである。
 
ハザードレートは条件なしの確率ではなく、条件付き確率であることが重要だ。一方で、累積生存確率は条件なしの確率である。
 
クレジットでは、累積生存確率が金利でいうディスカウントファクターに似ており、ハザードレートはショートレートに似ている。
このため、金利のショートレートモデルをハザードレートに適用する、ということがよくある。そうして、ディスカウントファクターを求めるようにして、累積生存確率をショートレートの関数として求めるのである。

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