通貨オプションのデルタからストライクを逆算

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ストライクのコンベンションはアセットクラスごとに異なる
 

市場から取得できるボラティリティサーフェイスについて、そのストライクの表示方法はアセットクラスによって異なる。最も独特なのが為替である。

 

通貨オプション市場ではストライクはデルタ換算で表示される。ドル円であれば105円とかではなく、50デルタなどと表示する。
 
市場から容易に取得できるデルタは、ATM以外には25デルタと10デルタである。この25デルタや10デルタが為替レート換算でいくらのストライクにあたるかは、自分で計算しないといけない。
プライシングするには通常のストライク、つまり為替レート換算のストライクがほしいので、デルタをストライクに変換する必要がある、というわけである。
 
市場でクォートされているボラティリティサーフェイスは、Put10, Put25, ATM, Call25, Call10の5つで、ファイブピラーという。
・Put10は、デルタが-10%のプットオプションのインプライドボラティリティ
・Call25は、デルタが+25%のコールオプションのインプライドボラティリティである。
したがって、これら5つのATMとデルタの表記から、5つのストライクに変換しないといけない。
 
ここでさらに問題を複雑にするのは、デルタの定義と、ATMの定義には、それぞれいろんな種類がある、ということである。それぞれ、一般的な定義が4つずつある。
さらに加えて、これらデルタの定義とATMの定義は、通貨ペアと満期の組み合わせによって変わってくるのである。
これらのコンベンションの詳細は今後の記事で書いていきたい。

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