伝統的なデフォルト率推計モデルの分類

個別企業のデフォルト率を推計するモデルについて、大まかな分類は以下の通り。

・経験モデル、スコアリングモデル

・構造モデル

・誘導モデル

・統計モデル

経験モデルは、財務指標などの定性的な特徴にクレジットスコアを割り振り、その合計で評価する、古典的な方法。

構造モデルは、資産価値の変動に何らかのダイナミクスを仮定して、資産価値が負債価値を下回る確率を求めるもの。

誘導モデルは、天下り的にハザードレートに何らかのダイナミクスを仮定し、クレジット商品の市場価格に合うようにパラメーターを設定するもの。ハザードレートは条件付きのデフォルト確率であることに注意。

構造モデル、誘導モデルはクレジットデリバティブ評価でもよく出てくるものだ。

統計モデルには、非常に多くの種類がある。

⑴線形回帰モデル

⑵判別モデル

⑶順序ロジットモデル

⑷二項ロジットモデル

⑸ハザードモデル

⑴と⑵は基本的で理解しやすいため教科書によく出てくるが、シンプルすぎて実務ではあまり使えないようだ。

⑶と⑷はいずれもロジスティック回帰モデルの仲間で、比較的クレジットリスクの高い個別企業のデフォルト率推計に用いられる。

⑸は住宅ローンの評価などで用いられる。