スポットTIBORとフォワードTIBORの錯覚を利用した商品

9月末で見ると、

TIBORレート自体はマイナスではないが、

 

フォワードTIBORはマイナスになっている。

 

毎日公表されるTIBORレート自体はスポットスタートの金利なのでスポットTIBORと呼ぶ。
 
一方で、将来にフィキシングされるTIBORの、フォワードメジャーでの期待値をフォワードTIBORと呼ぶ。
 
フォワードTIBORは、LIBORとTIBORを交換するベーシススワップがパーになるベーシス、いわゆるLTスプレッドから逆算される。
これは7年など中期ゾーンまでマイナスになっている。
 
金融の素人からすると、TIBORといえばスポットTIBORであり、フォワードTIBORなど知らない。
それを利用した商品として、TIBORレートを受け取れる商品が出回っている。
 
LIBORはマイナスになってしまったが、TIBORはプラスなので、それを利用している。
顧客には、LIBORとは違って、将来もプラスの金利がもらえる、などとセールストークしているのかもしれない。
 
しかしこの商品を時価評価すると、フォワードTIBORはマイナスであるため、TIBORを支払う金融機関サイドから見ると、時価はプラスで出てくる。
TIBORを支払うだけの商品なのに、である。
 
さらに、金利が上がった場合に、金融機関がうっかり払いすぎないようにするには、TIBORクーポンに上限を定めておけばよい。
そうすると、金融機関サイドから見ると、キャップの買いなので、このキャップからもプラスの時価が出る。

—–