オプションプレミアムの受け払いのコンベンションには大きく分けて2種類ある。スポットプレミアムとフォワードプレミアムだ。
スポットプレミアムは、約定日のスポット日に受け払いするものだ。スポット日は通常2営業日後だ。
これは通貨オプションや株式オプションに多い。
この場合、2営業日が経過した後はプレミアムの受け払いがないため、オプション取引の時価はオプション自体の価値のみである。
一方で、フォワードプレミアムは、権利行使日のスポット日に受け払いするものだ。
これはスワップションに多い。
この場合、権利行使日を過ぎてオプション自体が消滅しない限り、オプション取引の時価は、オプション自体の価値と、プレミアムの価値の合計である。
オプションの価値はブラック式で求めるが、プレミアムの価値は金額が確定しているため、ただ割り引くだけである。
オプションの買いポジションの場合は、オプション自体の価値はプラスだが、プレミアムの価値は支払いだからマイナスである。
一方、オプションの売りポジションの場合は、オプション自体の価値はマイナスだが、プレミアムの価値は受取りだからプラスである。
したがって、いずれにせよ、オプション自体の価値とプレミアムの価値が符号が逆であるため、ネッティングされて絶対値が小さくなる。
このフォワードプレミアムが出てきた背景は主に、カウンターパーティリスクの削減である。
オプションの買いサイドから見ると、プレミアムをすぐに払ってしまうと、オプション満期日までの間に、カウンターパーティが倒産すると、満期日にインザマネーであっても権利行使できなくなってしまう。
なので、満期日が到来してからその2営業日後に支払う方が安全である。
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