こちらもおすすめ
【初心者向け】CVAモデルの体系的まとめ | Quant College
解説
CDSがないカウンターパーティに対して用いるクレジットスプレッドを、プロキシースプレッドという。
これを設定する方法としては以下のようなものがある。
⑴親会社や同業他社のCDSで代用する
⑵同地域や同業種のインデックスCDSで代用する
⑶外部格付、地域、業種の3ファクターで分類し、同じ分類に入るCDSからなんとかして求める
⑷クロスセクションの回帰分析で求める
⑸情報ベンダーの業種別プロキシースプレッドを買う
⑴は、親会社のCDSがある場合に、その子会社に適用するケースは結構あるだろう。
⑵は、シングルネームに比べればかなり流動性のあるインデックスCDSを用いる方法である。格付け別にはなっておらず、投資適格級とハイイールドの2種類とかしかない。業種についても網羅的にあるわけではない。
⑶は、CDSがあまりない業種や低格付だと、サンプルとなるCDSの数が少なすぎるか、あるいは1つもない、という事態が容易に発生するため、実務的にはあまり採用されないだろう。
⑷は、⑶を改善したもので、例えば日本の同業種でCDSがなくても、米国や欧州の同業種のCDSをサンプルに加える方法である。あるいは、例えば、低格付のヘルスケアセクターでCDSがなかったとしても、低格付けのインフラセクターのCDSをサンプルに加える、といった具合だ。そうすることでサンプル数を増やすことができる。この方法は実務でそれなりに見かける。
実は最も多いと思われるのが⑸だ。第三者が求めたものを用いている、ということで、⑷などの自社推定の方法と比べると、当局や監査人から承認を得やすいかもしれないが、スプレッドの水準感についてあらかじめ検証した方が良いだろう。