デリバティブプライシングにおけるキャッシュフローの割引金利は、そのキャッシュを借りてくるのに必要な借入金利(=ファンディングレート)である。
なぜ借入金利なのか。
デリバティブプライシングにおける理論価格は、無裁定価格のことであり、
裁定取引とは、無一文の状態からキャッシュを借りてきて、それを金融商品に投資することにより、確率1でプラスの利益を出すことである。
この裁定取引を行うためには、無一文の状態からキャッシュを借りてくる必要があるため、その際の借入金利が、プライシングに必要なインプットの1つとなる。
借入金利は、以下のように、状況に応じて異なってくるものである。
・無担保か有担保か
・有担保の場合、担保資産は何か(現金か、債券か、等)
・有担保の場合、担保資産の通貨は何か
したがって、割引金利はただ一つだけ存在するのではなく、状況に応じて適切なものを選択しなければならないものである。
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