リパッケージ債の契約書標準化

・リーマンショック時にも問題になったが、リパッケージ債の契約書が標準化されていないことによって、リパッケージ債に組み込まれているデリバティブ取引を、リーマン以外の銀行へ移転するのにかなりの時間を要した。

・リパッケージ債はSPV(Special Purpose Vehicle 特別目的会社)が発行するという形をとる。

・リパッケージ債の契約書を標準化する動きは2つのグループに分かれて進んでいた。1つはSRD(Standard Repackaging Documentation)、もう1つはSpire(Single Platform Investment Repackaging Entity)である。

・SRDでは、契約書を標準化したテンプレートを提供するものの、リパッケージ債を発行するSPVは、各銀行が独自に設立したものであり、銀行間で1つのSPVに統一されていない。

・一方、Spireでは、銀行間で共有するSPV(Multi-Dealer Vehicle)が発行する形をとる。

・しばらく2つのグループに分かれていたが、最近になって、SRDの一部の金融機関がSpireに合流しようとする動きが出ているが、Spireが設定する受け入れ基準を満たしていなかったことで断られた金融機関もある。

・Spireの受け入れ基準としては、デリバティブの全てのアセットクラスについてあらゆる地域でアクティブに取り扱っていること、などがある。

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