確率ローカルボラティリティモデルは、
・ローカルボラティリティモデルをベースにして、
・ローカルボラティリティに確率ボラティリティを乗じて、
・確率ボラティリティのボラティリティにMixing Weightを乗じたもの
である。
ローカルボラティリティの部分はLeverage Functionと呼ばれる。
Mixing Weightは0から1の間の値であり、
・0に近いほどピュアなローカルボラティリティモデルに近づき、
・1に近いほどピュアな確率ボラティリティモデルに近づく。
確率ボラティリティのダイナミクスについては、
・Hestonモデルと同様にCIR型とする。つまり確率分散が非心カイ二乗分布に従うとする。
・SABRモデルと同様に対数正規型とする。
など、複数の選択肢がある。
よく見かけるのは一つ目でありHestonSLVモデルと呼ばれる。
キャリブレーションの手順は以下の通り。
⑴ベースとなる確率ボラティリティモデルを市場のバニラオプションのスマイルにキャリブレーションする。
⑵Mixing Weightを市場のダブルノータッチオプションなど、流動性のあるエキゾチックオプションのプライスを見ながら、適当に設定する。
⑶⑴と⑵の結果を用いて、Leverage Functionを市場のバニラオプションのスマイルにキャリブレーションする。
Mixing Weightは、SABRのβや、Hull-WhiteのMean Reversionと似たような立ち位置になっている。
重要なパラメーターではあるものの、ちょうどいい感じのキャリブレーション対象がバニラ商品にはない。
実務での対応としては、
1、トレーダーインプットにして決め打ちする
2、エキゾチック商品のプライスに合わせる
3、ヒストリカルデータから何とかして推定する
のどれかになるだろう。
Mixing Weightの場合は、2の対応をとることが多い。
Mixing Weightはよく、期間構造を持たせて、満期によって異なる値を設定する。
Bloombergのプライシング画面のSLVモデルでも、Mixing Weightは満期によって異なる値が設定されている。
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