スマイルの補間モデルには多数あるが、エクイティや為替のスマイル補間でときどき見かけるものとして、Andreasen-Hugeの方法がある。
これは2013年ごろにリスクマガジンにVolatility Interpolationというタイトルで掲載されて広まったもので、Local Volatilityモデルとの相性が良い。
Local Volatilityモデルではインプットとして滑らかに補間されたスマイルを与えてあげる必要があるが、これがなかなか難しい。
ストライク方向と時間方向に偏微分した結果が無裁定条件を満たす必要がある。
普通のモデルで補間して出来上がるスマイルでは、偏微分の値が異様に大きくなったりする。
これを解決するために導入されたのがAndreasenとHugeによるAH補間である。
Local Volatilityモデルのキャリブレーションでは、
・補間されたスマイルをインプットにして、
・Local Volatilityをアウトプットとして得る
わけだが、これを逆手に取って、
・Local Volatilityをインプットにして、
・補間されたスマイルをアウトプットとして得る
のがAH補間である。つまりインプットとアウトプットを逆にするのである。
異常値ではないような、初めからそれらしきLocal Volatilityを作っておいて、そこから逆に、補間されたスマイルを求めれば、当然だが、Local Volatilityが異常値になることはない。
問題は、スマイルをどう補間すればいいかまだわからない状態で、インプットであるLocal Volatilityをどう求めるか、という点だ。 もちろん、それは市場でクォートされているインプライドボラティリティ、つまりバニラオプションの市場価格と整合的になっていないといけない。
続きはまたの機会に続編を書きたい。